月虹の機動団

横須賀鎮守府から程近くに位置する海神(ワダツミ)港——その地下に、海神鎮守府は開庁された。
皇国海軍における最重要機密にして最終兵器。海神鎮守府は、横須賀鎮守府を表とするところの裏、あるいは影のような存在であった。
他の鎮守府との最大の相違点——それは保有する戦力にある。通常、鎮守府は戦艦・空母を主力とした洋上戦力を保有する。しかし海神鎮守府は、隠密行動を主戦術とした特殊な戦力を保有している。その力は絶大であり、敵を嵐の如く蹂躙せずとも、凪の如く静かに制圧できてしまう。それを可能としているのが、海神鎮守府の主力である海軍特戦機動団、通称『特機』と、特機の切り札たる謎に包まれた特型決戦兵器である。